1.Windowsで学ぶコンピュータ
1.1 ハードウェアとソフトウェア
コンピュータの世界だけでなく、ハードウェアとソフトウェアという区別は使われます。広い意味で解釈すると、「実際の機器などかたちのあるもの技術」と「その機器を利用する技術」となります。コンピュータの世界では、大まかに言うとコンピュータの機器とその機器の上で動作するプログラムということになります。
1.2 OSとアプリケーション
コンピュータの上で動作するソフトウェアには大きく分けるとOSとアプリケーションに分けられます。OSはワープロソフトなどのアプリケーションソフトをどのハードウェア上でも機器の違いを吸収して同じように動作させるためのプログラムです。OSにはMS-DOS、Windows、UNIX、Linuxなど多くの種類があります。OSはOperating Systemの略で、日本語では「基本ソフト」と呼ばれる場合もあります。
1.3 サーバとユーザ
個人で利用するパソコンやポケコンでは、そのマシンと利用する人は1対1で対応しています。ですが、本学の演習室のように規模が大きくなるとサーバ・クライアント・システムと呼ばれる1つのコンピュータシステムを複数で利用する仕組みが用いられます。
サーバ・クライアント・システムではサーバが利用者を区別する必要があるので、利用者を特定するために「ログオン」とうい手続きが必要です。「ログオン」では利用者がユーザ名とパスワードを入力することにより、サーバが利用者を特定し、各利用者毎の資源を準備します。
○注意 : 教育用計算機室のシステムではサーバ上にある各ユーザ毎の資源はリモートドライブのZ:ドライブに割り当てられています。演習等でファイルを作成する場合は必ずこのドライブ上で作業を行うようにして下さい。各クライアント(ユーザ)マシンのローカルディスクであるC:ドライブに作られた個人のファイルはログオフ後は保証されません。
演習室システム構成図
1.4 ログオンとログオフ
ここでは、Windows NT にログオンして作業を開始する方法と Windows NT を終了する方法について説明します。
ログオンとは、ユーザーがコンピュータに自分を識別させるために、名前とパスワードを入力する手順のことです。これにより、システムはユーザーが認められたユーザーであることを確認し、セキュリティを確保することができます。
●Windows NT にログオンするには
1. コンピュータを起動し、[ログオンの開始] ダイアログ ボックスが表示されたら、Ctrl キーと Alt キーと Del キーをいっしょに押します。
[ログオン情報] ダイアログ ボックスが表示されます。
2. [ログオン情報] ダイアログ ボックスにユーザー名とパスワードを入力します。
ユーザー名は、システム管理者がユーザー アカウントを作成したとき、またはユーザーが Windows NT をインストールしたときに設定された名前です。
パスワードは、権限のないユーザーがコンピュータにアクセスすることを制限するためのセキュリティ上の手段です。パスワードには、14 文字までの大文字と小文字を使用できます。パスワードを使わずにログオンしたい場合は、システム管理者がこのサービスを無効にできます。
3. 「Windows NT へようこそ」と書かれた画面が表示されます。次の 4 つのうち、いずれかのボタンをクリックします。
・ [新機能の説明] 以前のバージョンの Windows NT を使っていたユーザーから寄せられることの 多い質問と、その答えを表示します。
・ [目次] Windows NT 全般についてのヘルプの目次を表示します。
・ [次のヒント] Windows NT の使い方のヒントを同じ画面に表示します。
・ [閉じる] この画面を閉じて Windows NT での作業を開始します。
Windows NT で作業を開始するには
・ [スタート] ボタンをクリックし、[スタート] メニューを表示します。
このメニューからプログラムを起動したり、ファイルやドキュメントを開いたりすることができます。また、[スタート] メニューは、Windows NT を終了するときにも使います。
●Windows NT を終了してコンピュータをシャットダウンするには
Windows NT を終了し、コンピュータの電源を切断できる状態にすることをシャットダウンと呼びます。
1. [スタート] ボタンをクリックし、次に [シャットダウン] をクリックします。
2. [コンピュータをシャットダウンする] をオンにし、[はい] をクリックします。
変更したドキュメントが保存されていない場合は、保存するように求めるメッセージが表示されます。コンピュータの電源を切断しても安全な状態になると、画面にメッセージが表示されます。
コンピュータの電源を切断したり、コンピュータを再起動したりするときは、必ず Windows NT をシャットダウンするようにしてください。これにより、作業の内容が確実にハード ディスクに保存されます。
○オンライン ヘルプを表示する
Windows NT についての情報は、すべてオンラインで利用できます。Windows NT の使い方については、オンライン ヘルプを参照してください。
1.5 ウィンドウの構成要素とマウスの使い方
Windowsを使う上での特徴はマウスによる操作です。すべての操作をコマンドとしてキーボードから入力していたMS-DOSとは違って、文字入力を除き、マウスを操作するだけでほとんどの作業を行うことができます。Windowsで使うマウスの操作はシンプルなものです。普通、マウスのボタンは2つありますが、Windowsではたいてい操作は左ボタンで行われます。そのボタンの押し方は次の3つがあります。
○クリック(シングルクリック)
マウスの左または右のボタンを1回押してすぐに離す。
○ダブルクリック
マウスの左ボタンを2回続けてすばやく押す。
○ドラッグ
マウスの左または右のボタンを押しながらマウスを動かし、
目的の位置で離す。
練習 ウィンドウのタイトルバーやサイズ変更グリップをドラッグしてウィンドウの移
動や大きさを変えてみる。
1.6 コンピュータの内容を見る
自分のコンピュータに保存されているプログラム、ドキュメント、データファイル等を見るにはディスクトップに表示されている[マイコンピュータ]アイコンを使います。
1.ディスクトップ上の[マイコンピュータ]アイコンをダブルクリックします。
ウィンドウが開き、いくつかのアイコンが表示されます。
2.これらのアイコンをダブルクリックし、その内容を表示します。
次の表は、画面に表示される主なアイコン、その用途を示しています。
マイコンピュータでディスクドライブのアイコンをダブるクリックすると、次のようなウィンドウが表示されます。
3.これらのアイコンをダブルクリックすると、プログラムを起動したり、フォルダの内容やファ イルの中の情報を見たりできます。
○新しいフォルダを作成する
1.[マイコンピュータ]アイコンをダブルクリックします。次に、新しいフォルダを作成するドラ イブまたはフォルダをダブルクリックします。
2.[ファイル]メニューの[新規作成]をポイントし、次に[フォルダ]をクリックします。
練習 Z:ドライブ上に 3E_PRG という名前のフォルダを作り、その中にtest.txtとい
うテキストファイルを作れ。
練習 3E_PRGの中に tmp という名前のフォルダを作り、その中に前述の test.txt
を移動させる。
練習 tmp の中に移動した test.txt を 3E_PRG にコピーする。
(ヒント 右ボタンクリックを使う)
○復習 電源投入からログオンまでの流れ
電源投入からログオンを行い実際にコンピュータを使用できるまでは図のような流れになります。シャットダウン処理と電源スイッチを切る作業は最後に計算機を使った人が行います。
センタを利用する場合は利用時間終了後にセンタ係員がこれらの作業を行いますので、一般の学生はログオフ処理を行いコンピュータを「ログオン待ち状態」にして退室して下さい。
○ネットワークを利用しているからIDとパスワードが必要なのか?
センタの計算機システムのようにサーバ・クライアント型のシステムではIDとパスワードが必要です。これはネットワークを利用して複数のコンピュータを使っているからでしょうか?答えは「いいえ」です。例えば1台だけのコンピュータを利用する場合でも、複数の人が他人に影響を受けないようにコンピュータの資源(主に記憶領域)を利用するためには、今誰がコンピュータを利用しているかという情報が必要です。これがIDとパスワードです。
1.7 文書ファイルを作る
C言語で必要なプログラムや日本語の文書は[Notepad]で作ります。[Notepad]で日本語を入力するには仮名漢字変換プログラム[MS IME]を利用します。
Notepad は画面左下の [スタート][プログラム] [アクセサリ][メモ帳]から起動できますが、よく使うのでディスクトップにショートカットを作っておくと便利です。
ショートカットを作るには [スタート][プログラム] [アクセサリ]のメモ帳を右ボタンを押しながらディスクトップにドラッグして
[ショートカットをここに作る]を選びます。 図 メモパッドとMS IME
練習 Notepadのショートカットを作れ。
● キーボード
コンピュータを使うには、キーボード操作に習熟する必要があります。ここではキーボードの操作法および各キーの役割について勉強します。キーボードを操作する場合、キーを探しながら1本の指で打つのは、あまり格好が良くないばかりでなく、キーボードをディスプレイの両方を見ながらの作業となり、目の疲労やストレスの原因になります。
キーを打つにも定石があります。下図に示すように、両手のホームポジションと各指のカバーすべきキーが決まっていて、その定石にしたがってキーボードを操作するのが上達の早道です。
合わせて使用することによりその機能を使い分けます。
図 ホームポジションと指の分担
図 キーボードの構成
○文字入力キー
文字、数字、記号を入力するためには文字キーとスペースキー(スペースバー)の2種類があり、タイプライターキーとも呼びます。1つの文字キーには、2〜4種類の記号が描かれています。キーを押したときにどの
大文字と小文字の位置が入れ替わるため大文字のみ表記しています。
● かな漢字変換
WindowsNT4.0には、日本語入力システムMS-IME97が付属しています。日本語入力システムは、キーボードから入力された文字を、漢字、ひらがな、カタカナなどに変換します。
MS-IME97の詳しい使い方については、MS-IME97のツールバーから表示できるヘルプを参照して下さい。
○MS-IME97の使い方
MS-IME97には、日本語入力モードのオンとオフを切り替えたり、日本語モードの状態を表示または設定したりするために、インジケータとツールバーが用意されています。既存の設定では、これらは画面の右下隅に表示されます。
日本語入力インジケータ
日本語入力インジケータは、日本語入力モードの状態を示します。日本語モードの状態によって、インジケータのアイコンが異なります。
MS-IME97ツールバー
MS-IME97ツールバーは、入力は変換などの日本語モードの状態を示すとともに、環境を設定するためのプロパティダイアログボックスを起動します。
日本語入力モードがオフの時は半角文字が入力され、日本語入力モードがオンの時は通常全角文字が入力されます。ひらがな、漢字は全角文字、英数字は全角と半角が使用できます。
例 半角文字 abcABC123+-*/<> 全角文字 ぜんかくabcABC123
○かな漢字変換(日本語入力)のON/OFF
MS-IMEのON/OFFは[Alt]+[半角]で行います。
● カット・アンド・ペースト
メモ帳だけでなくWindowsでは「カット・アンド・ペースト」と呼ぶ、データの複写、移動の機能が利用できます。
コピー*「編集」メニューを選 択しなくてもドラッグ の後、マウスの右クリ ックでも同様のメニュ ーが呼び出せます。
*「編集」の「元に戻す」を 選択すれば直前のコピ ー動作は元の状態に戻 ります。
移動
*「切り取り」をしたあ と「張り付け」をしな ければ選択範囲を消去 したことになります。
*「編集」の「元に戻す」を 選択すれば直前の移動 動作は元の状態に戻り ます。
●ファイルネームの規則
Windowsではファイルネームは test.txt のように . (半角のカンマ)で区切られた2つの部分から成り立ちます。前半部分はファイルネームの本体で通常は半角のアルファベットと数字が使えます。後半は拡張子(ファイル属性)と呼ばれる部分です。この部分も自由に名前を付けられますが、特定の名前にはWindowsで決められた意味をもち、フォルダからそのファイルのアイコンをダブルクリックするだけで関連づけられたアプリケーションが自動的に起動します。たとえば .txt なら単純なテキストファイルを表しメモ帳が起動します。
●ファイルネームの表示モードの切り替え
Windows95以降では、フォルダ内でファイルを表示において、前述の拡張子(属性)を表示しない表示状態も選択できます。慣れれば属性表示がない方がすっきりしますが、はじめのうちは属性まで表示させる方が名前の付け間違い等を防ぐことができます。
表示を切り替えるにはウィンドウのメニューの[表示][フォルダオプション]をクリックしフォルダオプション・ウィンドウを開きます。そのウィンドウの中の表示タグをクリックし[登録されているファイルの拡張子は表示しない]のチェックボックスをクリックしてチェックをはずします。
●キートップ(刻印)とは異なる文字の入力
日本語キーボードを使ったWindows環境では一部キートップに描かれている文字と実際に入力される文字が異なっているものがいくつかあります。
キー操作 入力される文字
[Shift]+[0] なし 刻印は ~ (チルダと読む)と書かれているが入力されない。
[Shift]+[^] ~ 刻印は  ̄(アッパーバーと読む)と書かれているが~が入力される。
●練習 メモ帳を使ってアルファベット26文字をを半角と全角で入力せよ。
●練習 上記の文章を test.txt の名前でz:ドライブに保存せよ。
●練習 上記の文章を test.doc の名前でz:ドライブに保存せよ。
●練習 保存した test.txt と test.doc をそれぞれダブルクリックしたときどうなるかを確 かめよ。